ブルー・オーシャン戦略とは?メリデメや役立つフレームワークを解説

3.マーケティング

ブルーオーシャン戦略を簡単に解説しています
ブルー・オーシャン戦略

ブルー・オーシャン戦略という言葉をご存知でしょうか?

まったく新しい新規市場を開拓して、他社と競合することなく事業を展開する戦略です。この記事では、ブルー・オーシャン戦略のメリットや役立つフレームワークを解説します。

この記事を読むとブルー・オーシャン戦略の基礎知識を身に着けることができるようになります。

ブルー・オーシャン戦略とは

経営理論家であるW・チャン・キム氏とレネ・モボルニュ氏が著作『ブルー・オーシャン戦略』で提唱した理論で、日本では2005年に刊行され話題になりました。

ブルー・オーシャンとは、企業にとって従来にはなかった未開拓の市場を指します。

ブルー・オーシャン戦略は、従来存在しなかった市場を開拓し、新しい領域で事業を展開する戦略です。

この戦略に対して対となるレッド・オーシャンという理論も存在しており、これは多くの企業が参入し、激しい競争が行われている既存の市場を指します。レッド・オーシャン戦略では、既存の市場でより多くのシェア獲得を目指します。しかし、競争の激化によって製品・サービスの特徴が薄れてしまうため、業績を上げることは困難です。

バリューイノベーションで低コストと差別化の両立を目指す

ブルー・オーシャン戦略の大きな特徴として、低コストと差別化の両立を目指す点が挙げられます。差別化を実現してもコストが高いと、ブルー・オーシャンに後から参入する企業に対して優位に立てないおそれがあるからです。

従来の競争戦略では、低コストと差別化を両立することは困難でしたが、ブルー・オーシャン戦略ではバリューイノベーションという方法を用いてこの両立を目指します。バリューイノベーションとは、無駄を省いてコストを削減しながら、顧客にとっての価値を高める方法です。

ブルー・オーシャン戦略のメリット・デメリット

ブルー・オーシャン戦略をとろうとするメリットデメリットを整理しましょう。

メリット:高単価・低コストで販売できる

ブルー・オーシャン戦略のメリットとして、商品を高単価・低コストで販売できることが挙げられます。市場に競争相手がいないため、自社に有利な状況で商品やサービスを提供できるうえ、競合他社との価格競争が起こりにくくなっています。つまり利益率もサービス品質も決めることができるのです。先行者利益とも呼ばれます。

また、ブルー・オーシャン戦略では自ら新市場を切り拓くため、認知度を高めやすくなり自社のブランドを育成できます

デメリット:高度なマーケティングが求められる

ブルー・オーシャン戦略を実行するにあたっては、市場や自社の分析など、高度なマーケティングが必要になります。マーケティングの知識だけでなく、ブルー・オーシャン戦略を立案するための様々なフレームワークの知識も身に付けることが必要です。

また、ブルー・オーシャン戦略の実践においては技術革新は必ずしも必要でないため、追随する他社に模倣されやすいというデメリットもあります。差別化するポイントを生み出さなければすぐに模倣されてしまい、市場での優位性を失うことになります。

ブルー・オーシャン戦略の具体的なフレームワーク

ではブルー・オーシャン戦略をとるにはどのような手法が必要なのでしょうか。代表的なフレームワークを紹介します。

6つのパス

6つのパスとは、未開拓の市場を見つけ出す際に重要な6つの指針です。具体的な内容は以下の通りです。

  1. 代替産業から学ぶ
    自社の産業の代わりになる産業に着目し、その産業が顧客から選ばれている理由を掘り下げます。
  2. 業界内の他の戦略グループから学ぶ
    同じ業界にあって他の戦略を取っているグループを参考にし、魅力的な部分を取り込むことで新市場を切り拓くためのヒントが得られます。
  3. 購入者だけでなく、利用者にも目を向ける
    商品・サービスの購入者と利用者が異なる場合があります。購入者だけでなく利用者にも目を向けることも有効です。
  4. 補完的な製品やサービスを探す
    既存の製品に何かを付け足すことで、製品の価値が増大し新たな顧客の獲得に繋がります。
  5. 機能志向か感性志向かを意識する
    既存の製品・サービスが機能志向なのか感性志向なのかを意識し、それを別の方向へ切り替えます。
  6. 将来を予測する
    流行を追いかけるだけでなく将来を予測することで、従来なかった市場を見つけられる場合があります。

アクション・マトリクス

アクション・マトリクスは、バリューイノベーションを具体的にどのように実施するのか決めるフレームワークです。アクション・マトリクスでは、既存の市場や業界を「減らす」「増やす」「取り除く」「付け加える」という4つのアクションに基づいて分析します。これにより、ブルー・オーシャンを創造するために自社はどのように変化するべきか整理できるのです。

差別化のためには価値を「増やす」「付け加える」必要がありますが、その分コストが増加してしまいます。そのため、代わりに他の部分を「減らす」「取り除く」ことで、全体のコストを削減します。

戦略キャンバス

戦略キャンバスは、自社の現状把握やブルー・オーシャン戦略の検証に有効なフレームワークです。戦略キャンバスでは、「顧客にとっての価値」を横軸、その価値を顧客が受け取れている度合いを縦軸にしたグラフを作成します。そして、自社製品と競合他社の製品をそのグラフに当てはめることで、差別化できる点や顧客に価値を提供できる点を分析できます

ブルー・オーシャン戦略の事例

ブルー・オーシャンを切り開いたシルク・ドゥ・ソレイユ

ブルー・オーシャン“戦略を具体的に活用した事例とはどのようなものなのでしょうか?

これはすごく有名な事例でこの象徴的な事例として、斜陽産業のサーカス業界において売上を一気に伸ばしたシルク・ドゥ・ソレイユの例が挙げられています。

具体的には、シルク・ドゥ・ソレイユ以前のサーカス業界は以下の3つの問題が生じていました。

  1. 客を集める花形パフォーマーに人気が集中してコストが高騰
  2. 子ども向けのエンタメが無数に提供されていることで、観客数の減少
  3. 動物愛護団体からのサーカスへの反発

そこで、シルク・ドゥ・ソレイユはそんな既存のサーカス業界の枠から外れた戦略を実行します。既存のサーカスでは出し物同士の間に関係性がなかったところに「ストーリー性」の導入をしたり、これまで子ども向けで安かったチケットを演劇と同じ水準、つまりは従来のサーカスの数倍に設定。従来の市場で闘うことを放棄し、今までとは全く異なる価値を提供したことで、高価格・高利益を実現したところが評価されているのです。