リーダーシップ行動理論の基礎知識を整理!PM理論とSL理論の特徴と使い方を説明

2019年10月27日2.コミュニケーション

コミュニケーション

自分にはリーダーシップは備わっているのだろうか?こんな気持ちになったことはないだろうか。
リーダーシップ論やコミュニケーション論などから得た知見で、理論武装の必要を感じたことはないだろうか。

この記事はそんな方に向けて、リーダーシップ論のPM理論とSL理論のフレームワークについて説明していきます。

PM理論とは何か?

PM理論の定義

PM理論とは、リーダーシップ行動論の1つだ。

日本の社会心理学者、三隅二不二(みすみ じゅうじ)が1966年に提唱している。


特徴として、リーダーシップをP:Performance「目標達成能力」とM:Maintenance「集団維持能力」の2つの能力要素で構成されるとし、目標設定や計画立案、メンバーへの指示などにより目標を達成する能力(P)と、メンバー間の人間関係を良好に保ち、集団のまとまりを維持する能力(M)の2つの能力の大小によって、4つのリーダーシップタイプ(PM型、Pm型、pM型、pm型)を提示し、PとMが共に高い状態(PM型)のリーダーシップが望ましいとする。

要は、パフォーマンス(目標達成)とメンテナンス(組織の維持強化)を行動の機能にわけて、リーダーシップを4つに分類し、スキルの強弱を測定選別するフレームワークで、
PM>pM>Pm>pmの4つにわけていく。

PM理論の使い方と注意点

例えばPM理論を実際に使う場合は、自己を客観的に見直す基準として活用される。

もちろん、PとMの両方とも備えて、リーダーシップを発揮できれば理想だ。
ただ、人には当然得意不得意があります。そのため、自分の得手不得手をPM理論で確認し、組織においてリーダーシップを発揮するため、何が必要か見つめなおすというときに使われます。

例えば、「自分はPの行動特性が強いが、Mの行動特性が弱い」とPM理論で理解したのであれば、「Mの行動特性を高めるために、もう少しメンバーをフォローしていこう」と自分の行動を振り返りながら、足りない行動特性を高めていくために何が必要かを考えていくことができる。

とはいえ、実際の方法としては、すぐに自分の足りないスキルを補うことはできないことが多い。「足りない行動特性を別の人に補ってもらう」ということも有効な方法だ。先の例であげた「自分はPの行動特性が強いが、Mの行動特性が弱い」という人であれば、「Mの行動特性が強い人」をサブリーダーで配置することで、Mの行動特性を補ってもらうことが可能になる。

このような形でチームビルディングにも活用可能だ。

また、注意点として、PM理論は、客観的な指標の一つに過ぎず、これだけでリーダーシップのすべてを表せるものではない。他のリーダーシップ論を組みあわせながら活用するといいとされている。

理論を考えた 三隅二不二 (ミスミ ジュウジ)さんの利用方法は、

「まず目標と現在のギャップに対して決意表明」をさせ、
「短期でFBを回していく」

ことでリーダーシップが醸成されていくとしている。

PM理論と別の種類のロジック SL理論

PM理論とは別の角度で論じられるフレームワークにSL理論がある。
P・ハーシー氏とK・H・ブランチャード氏が提唱した。
SL( Situational Leadership)の理論は、部下のタイプに応じたコミュニケーションに役立つといわれている。
なお、日本語では「状況対応型リーダーシップ」と呼ばれることがある。

「SL理論」は、部下への接し方について、以下2つの軸で考える。

  • 援助的行動(縦軸で表現)
  • 指示的行動(横軸で表現)

縦軸の「援助的行動」は、「傾聴する」「褒める」などのコミュニケーションや承認のことを指す。横軸の「指示的行動」は、仕事の手順などの具体的な仕事の指示が該当する。
また、仕事に対する理解など、「部下の発達度」も横軸で捉えru.

そして、縦軸、横軸を組み合わせて、以下の4つの分類する。
軸の使い方といいPMに似ているのでわかりやすいだろう。

  • S1:教示的リーダーシップ
  • S2:説得的リーダーシップ
  • S3:参加的リーダーシップ
  • S4:委任的リーダーシップ

の4つで部下とのコミュニケーションを捉える。

例えば、入社間もない新入社員の場合は仕事の進め方などが分からなないため、「S1:教示的リーダーシップ」で仕事をどのように進めたらよいかを示すことが適切だとされる。

一方、業務遂行能力が高く、自発的に行動することができるマネジメント層などのベテラン社員の場合は、「S4:委任的リーダーシップ」で仕事の状況をモニタリングし、不安や迷いが生じたときに手を差し伸べるスタイルがよいとされている。

このように、部下の仕事の経験や遂行能力によりコミュニケーションの取り方を捉えることができるという理論です。新入社員、2~3年目の社員、中堅社員、ベテラン社員など、業務や仕事に対する理解度によってコミュニケーションの取り方が変わる。その意味では、現代の日本の会社内ではよく見られたコミュニケーションスタイルであり、イメージがしやすいものではないだろうか。

活用の仕方としては、部下の名前と働きかけの方向性を一覧にし、コミュニケーションを行ってみるとよいだろう。

PM理論とSL理論をリーダーシップの向上に役立てる

「PM理論」「SL理論」はともに、リーダーシップ理論として有名です。そして、両方の理論とも、「能力」や「資質」にフォーカスしているのではなく、「行動」にフォーカスしているのが特徴です。

つまり、自分の行動を振り返り、「PM理論」や「SL理論」と照らし合わせ、行動を修正することで、リーダーシップ力の向上につなげることができる。

PM理論とSL理論で理想のリーダーを目指す

前述のように、リーダーとしての自分のタイプを「PM理論」を用いて把握し、組織という集団を維持しながら目標達成のためにパフォーマンスを発揮するためにはどんな行動を起こしたらよいかを理解できます。加えて、「PM理論」では、現在の自分のリーダーシップの行動と理想のリーダーシップ像との乖離をどのように埋める行動を行うかを考えることができる。

また、「SL理論」では、部下の勤続年数や経験値、業務への理解度を把握し、S1~S4の4段階をモデルにしながら、どのようにコミュニケーションを取るべきか、行動するべきかを理解できる。加えて、「SL理論」では、S1~S4のコミュニケーションスタイルと現在の部下とのコミュニケーションスタイルとの乖離をどのような行動で埋めていくかを考えることができる。

「PM理論」と「SL理論」を上手く活用することで、リーダーとしての理想の行動やメンバーとのコミュニケーションスタイルを明確にすることができる。これらの2つの理論を上手く組み合わせ、自分の理想のリーダーシップ像を磨きながら、部下と適切にコミュニケーションを取ることで、理想のリーダー像に近づこう。

「PM理論」「SL理論」とも、リーダーシップ論では有名な理論で、両方とも「能力」や「資質」に注目しているのではなく、「行動」に注目した理論であることが特徴だ。

そのため、理想のリーダーに近づけることができるよう、「行動」を見直すことが大切だと考えよう。

当記事についてご意見、ご要望ある方は問い合わせからご連絡ください。